Mirage Solo がやってきた!
ゲーム業界に係るものの端くれとして、多少なりともVR研究も行っている我が社。
GoogleのスタンドアローンVR「Mirage Solo」が本日発売となり、
この日のために、ヨドバシ.comで予約注文していた「Mirage Solo」がやってきました。
他のVR機器と比較して、簡単にレビューしていきたいと思います。
開封!
中身取り出す
剥く
剥くっ!
剥っくぅ!!
装着!
さて、
電源ボタンを数秒長押しして、PSVRと同じ要領で装着します。
wifiへの接続設定 > googleアカウントでログイン > アップデート(10分くらい)>チュートリアル >ホーム画面の流れとなります。ホーム画面到達時点での電池残量は46%でした。初期状態の電池残量には個体差があるため、購入後はまっさきに充電をおこなったほうが良いかもしれません。
装着感
今までは初期型のHTC Viveが最も重く感じておりましたが、それと同等の重さを感じます。装着方法はPSVRと同じダイヤル式ですが、これが頭にフィットせず、きつく締め上げないと徐々にずれていきます。すぐにずれるわけではないので、実用に問題ありませんが、ここはPSVR、GearVRの固定感が勝っていると思いました。とはいえ、645gの重さを支えるのであれば仕方ないことなので文句はありません。今後装着感の改善は装着機構の改良よりも軽量化がポイントになるのではないでしょうか。ちなみにOculus Rift cv1のようなアイアンクローされている感じは一切なく、顔との接地感については満足しています。
<追記>:充電しつつ3時間ほど使用してみました。蒸れることはないですが、重さのためか、ヘッドセットが前方に落ちてきて、おでこの圧迫感を強く感じます。またメガネも圧迫され鼻に、鼻パットの跡が残り痛みを感じます。いづれもGearVRやPSVRでは感じられないものでした。個人的には1日位2時間の使用が限界な気がします。
PSVRと同様、本体を前後にスライドさせ、目とレンズの距離を調整するボタンが本体下についているのですが、ここはほぼ動かず。PSVRのようにガショっとスライドさせて着脱する使い方は出来ないようです。装着してない状態であればPSVRなみの幅でスライドさせることは出来るのですが、装着後はメガネの当たり具合を調整する程度にしか使えません。原因はまだ不明。・・初期不良か、頭の形が変なのか。私はメガネ民なのですがHMDを外す時、メガネがHMDにくっついてしまいメガネが顔から外れることが何度かありました。GearVR、PSVRでは、そういうことは一度もなかったので、メガネの入る余裕はGearVR、PSVRよりも少ないかもしれません。RiftとViveは確実にメガネにくっつきます。
<追記>前後のスライドがPSVRのように行かない原因が判明。スライドの初期位置がPSVRとは違います。PSVRはスライドを収めた状態がヘッドパッドと並ぶ位置に来ますが、Mirage Soloでは、伸ばした状態がヘッドパッドと並ぶ位置です。つまりスライドを収めた状態にすると、目が押し込まれます・・・・。
視野角は竹の背くらべ
視野角については、目とレンズの距離によって少し変わるので、どちらが優れているかを明確にはできないのですが、感覚としては他VR機器と変わらず。しいていうならGearVRより気持ち広く、Oculus Riftよりは確実に狭いかな。という印象。その日の気分によって印象変わる程度。瞳孔間距離(IPD)は調整できません。私の場合は67cmが適切なのですが、若干違和感を覚えましたが許容範囲。おそらく62~64あたりに設定されてるような気がします。
Controllerは個性あり
3Dofにもかかわらず、明らかにGearVRとの違いを感じます。カーソルの移動は72fpsと、手ブレ補正によってなめらかに動きます。固定軸を中心に回転するGearVRのControllerにくらべ、Mirage Soloは手首を軸に回転している感じがしました。しかし、GearVRのダイレクトな感じも好きであり、どちらが優れているとはまだ判断つかず。カーソルがずれていくのはGearVRと同様です。定期的に位置をリセットする必要があります。若干Mirage Soloのほうがずれない気がします。不満点としてはトリガーボタンがないことです。GearVR、Oculus Go ともにあるのに、なぜ外してしまったのか。また、シンメトリーデザインなので、HMDをかぶった状態でControllerを手に取ると、上下逆さまに持ってしまうことがあります。
6Dofは快適・・・だが
Google開発のポジショントラッキング、通称「World Sence」の完成度の高さは想像以上でした。実は購入前は、まず部屋をスキャンする必要があるのかと勝手に思っていたのですが、何の設定もぜず、かぶった直後から前後左右への6Dofは快適に機能しておりました。この完成度はOutSideInのRiftおよびViveと同等といってもいいかと思います。素晴らしい。ただ一つだけ不満があります。安全上動ける範囲が直径1.5mの範囲に制限されていることです。範囲外に出ると画面が暗転します。左右のみならず上下方向へも制限がかかっており、地面に寝転んで何かを覗くなんてことは出来ません。これではワイヤレスであること、Insideout方式であることのメリットを最大限享受することは出来ません。ワイヤレスのメリットは回転してもワイヤーに絡まらないこと。そしてもう一つ、「自由に動ける」こと。insideoutもまた、その場に縛り付ける制限を取っ払うことができる可能性を秘めておりますが、センサーの面倒から解放されただけのものに成り下がっております。Goggle様には今後のアップデートで可動範囲の制限を解除していただき、大草原をVRゴーグルつけて走り回る夢を叶えさせてほしいと願っております。
<追記>範囲解除できました。Mirage Soloで「プレイエリアの外」を解除する方法
解除の影響があるのはホーム画面のみっぽいです。
付属イヤホン左右混乱問題
付属のイヤホンは短めです。頬にケーブルがぶつかりますが、さすがに頭を振る程度では外れたりはしないようです。HTC Viveの付属イヤホンは、頭振るだけで外れたので、それに比べればそこまで問題にはなりません。で、問題はLRどちらかわからないことです。LRの印字はあるので、見ればわかるのですが、あくまで「見れば」の話、左右の形状が同じなので、HMDを装着した状態で手探りで探すことはできません。なので、目印となるシールを右イヤホンに貼り付けました。かっこ悪いけど一応解決です。
コンテンツは今後に期待
前評判から、GearVR、Oculus Goに比べ、コンテンツ数が全然充実していないうえに、GooglePlayStoreが洗練されていないとの情報は知っておりましたので、この点については覚悟しておりました。6Dof対応と謳っていても、対応アプリがないのであれば宝の持ち腐れです。Google様のことなので、状況は改善されて行くとは思いますが、万が一にも改善されないのであれば、Oculus Goにすればよかったと、買った人はもれなく後悔するのではないでしょうか。それほどGearVRに比べてコンテンツが少ないです。日本語対応なんてほんとに10本の指で数えるほどしかないんじゃないかと思うくらいですが、ここはコロプラさん頼みます。Mirage Soloのホーム画面から見るGoogle Play Storeのほうですが、WorldSence対応アプリの一覧(または一部?)が表示されるようになったのは幸いです。
Mirage Soloに密かに期待している2つのこと
現状の感想としては、OculusGoの2倍のお金を払って買う価値はないかと思っています。開発者やVRオタクであればもちろん買いですが、ライトユーザー層であれば、例えゲーム目的であってもOculusGoをお勧めします。安くて、コンテンツが多くて、イヤホン装着の手間がなくて、かさばらなくて、ゴロ寝で使え、かつ十分にVRの素晴らしさを体験できるのですから。とはいえ、Mirage Soloには希望的観測から密かに期待していることが2つあります。これが実現すればMirageSoloには2倍の値段以上の価値を提供できるはず。頑張れGoogle!頑張れコロプラ!
Controllerの6Dof化でsanta cruzを先取り!
グーグル、モバイルVRヘッドセットでのハンドトラッキング実現に一歩 (Mogura VR)
<追記>対応する予定はないと、Google様からお達しがありました。
Google: Don’t Expect 6DOF Controllers for Lenovo Mirage Solo (RoadtoVR)
スーラの実装でコンテンツがリッチに!
Google、モバイルVRでも高品質な3Dシーンを描画できるレンダリングツール「Seurat(スーラ)」をGitHubにて公開 (Steamless)